乾癬(かんせん)とは
乾癬(かんせん)は「炎症性角化症」という皮膚の病気に分類され、皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の上に、銀白色の垢(鱗屑)が付着し、ポロポロとフケのようにはがれ落ちます。
乾癬の皮膚では、炎症を起こす細胞が集まって活性化しているため、毛細血管が拡張し、皮膚が赤みを帯びた状態となります。また、表皮が、健康な皮膚と比べて10倍以上の速度で生まれ変わり、生産が過剰な状態となっています。過剰に生産された表皮は厚く積み上がり、鱗屑となって剥がれ落ちていきます。
乾癬の原因
はっきりとした原因はまだ分かっていませんが、体質的な要素(遺伝的素因)に気候、ストレス、風邪、喫煙、飲酒、食生活などの外的因子と糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満などの内的因子が加わって発病すると考えられています。
乾癬の治療方法
乾癬の治療方法は、大きく分けて外用療法・内服療法・光線(紫外線)療法・生物学的製剤の4つの方法があります。
乾癬治療の基本 - 外用療法(ぬり薬)
主にビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬およびこれらの配合外用薬が用いられます。
外用薬には軟膏、クリーム、ローションやシャンプー様外用液剤などさまざまなタイプがあります。
医師と相談しながら自分に合うものをみつけましょう。
光線(紫外線)療法
光線療法は、光源ランプを用いて、症状のある部位もしくは全身に紫外線を照射して過剰な免疫作用を抑える治療法です。主な副作用は日焼けや色素沈着です。
<UVB療法>
UVBを照射します。当院では、UVBの中でも治療効果が高く、狭い領域の波長を照射するナローバンドUVB療法を行っています。
生物学的製剤
生物学的製剤は、免疫に関わる物質の働きを弱めて乾癬の症状を抑えるお薬です。現在、皮下注射と点滴の2種類があります。
なお、生物学的製剤による治療は、これまでの治療で効果が見られない患者さんが主な対象となります。
日常生活で注意すること
乾癬の症状は治療によって良くなりますが、環境やストレス、体調によって悪化することもあります。
治療と並行して日常生活でも、症状が悪くならないように生活習慣や体調管理に注意することが大切です。
皮膚への刺激を避けましょう
衣服でこすれたり、皮膚を掻いたりすることなどの刺激で症状が悪化します。
衣服はなるべく柔らかい素材のものを選びましょう。
乾燥に注意しましょう
一般的に、乾癬は夏に良くなり、冬に悪化します。とくに冬は皮膚が乾燥するので注意しましょう。
日光浴をしましょう
乾癬は日光にあたると良くなることが多いので、なるべく日光浴をしましょう。
ただし、急激な日焼けは皮膚を刺激し悪化の原因になりますので、徐々に始めましょう。
その他に注意すること
- 感染症に注意しましょう
- ストレスをためないようにしましょう
- 適度な運動をこころがけましょう
- 食生活に注意しましょう
- 喫煙は控えましょう
- 入浴により清潔を保ちましょう